「近江しょこら」を考案するきっかけとなった理由のひとつは、最近はアレルギーの方が結構いるそうで、そ うした方が安心して食べることができる菓子、小麦粉を使わない菓子を、何とか作れないかと思ったことです。
小麦粉に代るものとして米粉に着目したのは、地元で良質な近江米(こしひかり)が栽培されているからです。 鈴鹿山系からの水が豊富なせいか、とにかく品質が優れていますね。この米粉で「浮島」という和菓子では一般的な生地を作ってい ますが、しっとりとさせるために自家製の白餡を練り込んだり、生チョコレートを包みますから、相性を考えて味も洋風にアレンジ したりと工夫を凝らしています。
まず、独りよがりにならないこと。私はいわゆる作品といわれるような個性的な菓子をつくること以上に、お 客様が求めている菓子作りを心がけています。流行の素材や好みの甘さは時代によって変化します。そうしたお客様の視点と生産者 としての個性を調和した、プロシューマーでありたいと常に思っています。
次に、菓子作りにおいて素材は極めて重要であると考えています。だから最良の素材を求め、可能な限り自ら 生産者を訪ねますね。自分の目と舌で確認し、美味で安全な原材料を使うようにしています。ただし単に高価だから、有名だから“ 良い素材”とは考えておりません。例えば小麦粉は、3種類をお菓子によって使い分けております。そのお菓子で使われているほかの 素材との相性がありますから。また、先ずは地元から探し始めますね。料理もそうですが、菓子も地域性がありますから。ちなみに 水もとても重要で、鈴鹿山系からの伏流水を使っています。
最後に、「ひと手間かける」ことにしています。人の手が必ず触れるようにしていますね。手で飾りをつける こともあれば、型で文様を入れることもあります。菓子作りにおいても、機械化による迅速化や簡略化が当たり前のご時勢ですが、 そんな時代であるからこそ、最後に必ず手を加える菓子作りを続けております。
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